★キューバ映画祭 in サッポロ 2009★ 上映作品でたどる「キューバ映画の魅力」

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上映作品でたどる「キューバ映画の魅力」

 映画の専門家でも何でもない私が、〝キューバ映画の魅力〟を語るなんて、大変おこがましいのですが、作品紹介を兼ねてやらせていただきます。

 折りしも今年は「キューバ革命50周年」。〝人間愛と理想〟に満ちた革命のイメージは、半世紀を経た今も、私たちを〝見果てぬ夢〟へと誘う力を宿しています。『はじめて映画を見た日』を見れば、誰もがそのことを納得するはず。では、僻地の〝忘れられた人々〟に夢と希望が届く(革命)以前のキューバはどうだったか? それは、『エル・メガノ』(1955年)から窺い知ることができるでしょう。同作品を撮ったG・エスピノサ、T・G・アレア、A・ゲバラら(革命後のキューバ映画の基礎を築く面々)は、このアマチュア処女作を通して、社会の不平等を告発した結果、バティスタ政府にフィルムを没収されてしまいます。背後には米大使館の指示があったと知るや、真のキューバ映画を制作するには、傀儡政権を倒し、国として自立する必要を悟ったのでした。

はじめて

 さて翌年12月、メキシコからグランマ号でフィデルやチェがキューバに上陸し、東部のシエラ・マエストラを拠点に反政府闘争を展開。彼ら髭モジャ兵士から成る反乱軍の戦いぶりは『レボルシオン革命の物語(第2・3話)』、首都ハバナで展開していた闘争を知るには『危険に生きて』『レボルシオン(第一話)』をご覧下さい。自由と独立は、戦いなくして得られない―それは、国父ホセ・マルティから受け継いだ教えでもありました。

 1959年1月1日、遂に革命が成就。公正な理想社会への第一歩として、革命政権は農地改革に着手。人々の理解を得るため『われらの土地』が製作されました。けれども、この農地改革が米国の反発を招き、世界に向け船出したばかりのキューバという小船は、冷戦の荒波をもろにかぶります。『低開発の記憶』は、1961年~62年という、革命の転換期、かつ緊張の高まった時代を背景にした、真実味溢れる人間ドラマ。この時代への理解なしにキューバを語ることはできないでしょう。しかも本作品は、その歴史的価値のみならず、〝批判精神〟の冴えや手法の面でも近年ますます評価が高まっています。

 ところで、私がキューバ映画に着目する最大の理由、それがICAIC(註)の〝批判精神〟 ―つまり、キューバ社会において、映画は〝社会の問題を映し出す鏡〟の役割を果たしているのではないか? という点です。『苺とチョコレート』『ビバ・キューバ』の間には、歳月にして10年の隔たりがありますが、共にアクチュアルな問題(前者は「社会の不寛容性」、後者は「亡命・移民」)を提起しているし、『ルシア(第三話)』には、キューバ社会に根強く残るマチスモ(男性優位主義)の問題が描かれています。映画を通して、キューバを内側から観ると、ステレオタイプの陽気なイメージとは異なる、苦渋の表情が浮かんできます。『ハローヘミングウェイ』(1990年)は、東欧の崩壊に直面し、夢を失いかけた人々に向けて、〝苦しくても決して挫けない不屈の精神〟をそっと後押ししているのではないでしょうか。涙を笑いに昇華する強さと明るさ。『フルカウント』で涙したあとは、『フィルミヌート・シリーズ』で大いに笑いましょう。

 さあ、あなたも映画を通して、キューバの人々と喜怒哀楽を共にしてみませんか?

Marysol 
ブログ「Marysolのキューバ映画修行」
http://ameblo.jp/rincon-del-cine-cubano/


(註)ICAIC(キューバ映画芸術産業庁)
1959年1月、革命軍全国文化局が「シネ・レベルデ(反逆する映画)」を結成。3月に、ICAIC設立法のもと「シネ・レベルデ」を吸収してICAIC発足。「映画は芸術である」と謳い、映画の製作や配給、60年代には、古典映画の収集と活用、山村僻地への移動映写隊の派遣などを行なう。

*この文章は、さっぽろ自由学校「遊」のニュースレター「ゆうひろば」2009年1月号に掲載されたものです。
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